「マンション売却したいけど売れるか不安だな……」
「ずっと売れなかったらどうしよう……」
マンション売却を検討している方で、このような不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そんな方に向けてこの記事では、マンション売却時に感じる状況別での不安や対策について解説します。
【この記事でわかること】
- どこに不安を感じるのか
- 築年数との関係性
- いつまでも売れないときの対処法
- ずっと売れなかったらどうなるのか
- 状況別での不安と対策
マンション売却が初めての方でもわかる内容ですので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
マンション売却は誰もが不安に感じている
マンション売却はだれもが不安に感じています。
実際にどれくらいの人が不安に感じているのか見てみましょう。
マンション売却に不安を感じている割合
以下はマンション売却を検討している人がどのくらい不安を感じているかを表したグラフです。
株式会社ツクルバ『中古マンション売却に関する意識調査』を参考に作成
半数以上の人がマンション売却に不安を感じているのがわかります。
マンションだけに限らず、不動産の売買は専門知識が多く絡むので初めての人は特に不安を感じやすいといえます。
マンション売却のどこに不安を感じているのか
次に、マンション売却のどこに不安を感じているのか見てみましょう。
株式会社ツクルバ『東京23区マンション住まい・3年以内売却検討者への意識調査』を参考に作成
最も不安に感じているのは「築年数が古いこと」でした。
では、築年数に不安を感じている人は、築何年から不安に感じているのか見てみましょう。
株式会社ツクルバ『東京23区マンション住まい・3年以内売却検討者への意識調査』を参考に作成
築年数の経過とともに不安の割合も上昇しているのがわかります。
特に築20年を超えると一気に不安を感じており、築40年を超えるとその割合は90%。
築古マンションを所有している人のほとんどが「売れるかどうか」不安を感じていると答えています。
にほんブログ村 ⇐バナークリックで応援お願いします!
築年数がマンション売却に影響する理由
多くの人が築年数の古さに不安を感じているとお伝えしました。
では、マンションの築年数がどのくらい売却に影響するのでしょうか。
売り出し築年数と成約築年数の差
では、実際に売れているマンションの築年数はどれくらいなのかを見てみましょう。
以下は、新規登録物件と成約物件の築年数差を表したグラフです。
株式会社ツクルバ『東京23区マンション住まい・3年以内売却検討者への意識調査』を参考に作成
このことからも、築20年以降のマンション売却を検討している方は、不安がらずに積極的に売り出してもよいと言えるでしょう。
築年数別の成約価格の推移
次に築年数別での成約価格の推移を見てみましょう。
以下はREINSが公表している、首都圏中古マンションにおける成約価格を築年数別で表したグラフです。
REINS TOPIC『築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)』を参考に作成
築年数の経過とともに成約価格も下がっているのがわかります。
築26年になると新築時の43%の価格まで減少しており、築年数の経過した古いマンションほど高値で売れにくいといえます。
このことからも、できるだけ早めにマンション売却をした方がよいといえるでしょう。
マンション売却がいつまでも実現できない理由
マンションを実際に売り出したけど、全然売れずに困っている方も多いのではないでしょうか。
マンションがいつまでも売れないのには必ず理由があります。
以下の要素に該当していないかチェックしてみましょう。
にほんブログ村 ⇐バナークリックで応援お願いします!
売り出し価格が相場に見合っていない
まずは売り出し価格を確認しましょう。
売り出し価格の適正価格は「そのエリアの相場に見合った価格」であることです。
よくある例として、相場より高すぎる価格を設定しているケースがありますが、相場より高いとどうしても買い手に敬遠される可能性が高いです。
以下は実際に中古マンションを購入した人のアンケート結果です。
国土交通省 住宅局『令和4年度 住宅市場動向調査報告書』を参考に作成
中古マンションを選んだ理由として「予算が手頃だったから」が最も多いのがわかります。
つまり、買い手は「価格」を最も重視しており、相場より高いマンションが売れにくいのは当然といえます。
なかなか買い手が現れない場合は担当者と相談して、売り出し価格の調整を検討しましょう。
広告や宣伝が効果的にできていない
売り出し価格が相場に見合っているのに売れない場合は、不動産会社による広告や宣伝が上手くできていない可能性があります。
- REINSに物件登録されていない
- 掲載されている写真が汚い
- 宣伝範囲が狭い
不動産会社に仲介を依頼をして媒介契約を結ぶと不動産流通機構(REINS)に登録されるのが一般的です。
ただし、一般媒介契約を結んでいる場合はこのREINSへの登録義務がありません。
REINSに登録されなければ、買主と媒介契約した不動産会社に見つけてもらうこともできないので、売却の長期化にもつながります。
ほかにも、不動産ポータルサイトに掲載されている物件の外観や内観の写真が汚かったり、そもそもの広告や宣伝範囲が狭かったりする場合も売れない原因です。
売り出し価格が適正でもなかなか売れない場合は、広告や宣伝が上手くできているかも確認しましょう。
不動産会社が積極的に動いていない
そもそも不動産会社が売却に向けて積極的に動いていない可能性もあります。
これには媒介契約が関係しており、一般媒介契約を結んでいると起こりうるケースです。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
他の不動産会社への依頼 | × | × | 〇 |
自分で買主を見つける | × | 〇 | 〇 |
他社への通知義務 | 無し | 無し | 有(明示型のみ) |
REINSへの登録義務 | 〇 | 〇 | × |
契約期間 | 最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 | 期間制限なし |
業務報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 無し |
媒介契約によって特徴が異なり、一般媒介契約はほかの不動産会社に依頼したり自分で買主を見つけたりしてもよい契約形態です。
売主からすれば柔軟に動けて一番良さそうな契約形態に見えます。
しかし、不動産会社からすれば、ほかの不動産会社に取られてしまう可能性のある契約ともいえます。
つまり、不動産会社からすればメリットよりもデメリットの方が大きい契約となるので、積極的に動いてくれない可能性があるのです。
マンションがいつまでも売れなかったらどうなるの?
マンションを売り出しても必ず売れるとは限りません。
万が一いつまでも売れない状況になった場合に起こることと対策を解説します。
固定資産税・都市計画税がかかる
マンションが売れないと、その間は常に固定資産税や都市計画税がかかってしまいます。
住んでいるならまだしも、住んでいない家が売れないと不要に税金を払い続けることになります。
不動産買取りを検討する
なにをしても売れない場合は、不動産会社の買取りを検討しましょう。
買主を探す必要がなく、不動産会社にそのまま買い取ってもらえるので手間なく簡単に売却できます。
ただし、買取にはいくつかのデメリットもあります。
仲介での売却価格と比べて7~8割ほど安い価格での売却となってしまいます。
ほかにも、買取りに対応している不動産会社も限られているので、新たに不動産会社を探さなければいけなくなる可能性もあります。
また、不動産会社はその物件を買い取ったあとに再販するのが一般的なので、再販できる見込みのない物件や事故物件などは買取りしてもらえないケースもあります。
状況に応じて買取りするかどうかを判断しましょう。
マンション売却において査定時の不安と対策
マンション売却においてまず行うことは『査定』です。
ここでは、査定についての不安や対策について解説します。
不安①:どこに査定依頼すればいいの?
査定依頼は不動産会社にしましょう。
依頼方法は次のとおりです。
- 不動産会社のホームページ上の「査定依頼」から問い合わせ
- 電話・メールで直接問い合わせ
査定依頼は、不動産売買を行っている会社であれば基本的に受け付けているはずなので確認してみましょう。
依頼時は以下のような物件条件を入力します。
不動産会社によって入力項目は異なるので、こちらも確認しておきましょう。
不安②:査定依頼はどこの不動産会社でもいいの?
査定依頼する不動産会社はどこでもいいわけではありません。
以下のポイントを確認して選びましょう。
- 売買実績
- 運営歴
- 対応している不動産の種類
- ユーザーの評価・口コミ
これらの要素は不動産会社によって異なり、査定額に差が出るケースもあります。
また、大手と中小によっても得意分野が異なるので、できれば大手と中小の両方に依頼するとよいでしょう。
不安③:査定額って信用できるの?
提示された査定額が信用できるか気になる方も多いでしょう。
結論としては、査定額通りで売れるとは限りません。
以下は新規登録価格(売り出し価格)と成約価格との差を表したグラフです。
公益財団法人東日本不動産流通機構『首都圏不動産流通市場の動向(2022年)』|季報 Market Watch サマリーレポート 2023年4~6月期 を参考に作成
2016年までは売り出し価格よりも低い価格で成約していましたが、2017年からは逆転し、成約価格の方が高い傾向にあるのがわかります。
近年はマンションの需要が高まっており、売り手市場ともいえます。
しかし、査定額は不動産会社によってバラバラであり、依頼を受けるためにわざと高い査定額を提示してくる不動産会社もあります。
査定額を鵜呑みにして売り出し価格を決めてしまうと、買い手が現れずに長期化する恐れもあるので気を付けましょう。
それでも、マンションの需要から考えれば、想定よりも高い価格で売れる可能性が高いといえます。
対策:一括査定サイトを利用しよう
1社ずつに依頼するのが面倒だったり、どの不動産会社がいいかわからない場合は、一括査定サイトがおすすめです。
マンション売却時の媒介契約の不安と対策
不動産会社に仲介を依頼すると媒介契約を結びますが、どんな契約なのか不安に思っている方も多いでしょう。
そもそも「媒介契約とはなにか」について確認していきましょう。
不安①:媒介契約ってなに?
したがって、初めてマンション売却をする際は、不動産会社に仲介依頼するのが得策でしょう。
不安②:どの媒介契約がいいの?
媒介契約には3種類あります。
それぞれの特徴を確認しましょう。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
他の不動産会社への依頼 | × | × | 〇 |
自分で買主を見つける | × | 〇 | 〇 |
他社への通知義務 | 無し | 無し | 有(明示型のみ) |
REINSへの登録義務 | 〇 | 〇 | × |
契約期間 | 最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 | 期間制限なし |
業務報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 無し |
専属専任媒介契約が最も縛りの強い契約形態ですが、「すべてを不動産会社に任せたい」と思う人におすすめです。
一方で一般媒介契約は自由度が高く、他社へ同時に依頼したり自分で買主を見つけもOKです。
「いろいろな不動産会社と比較したい」と思う人におすすめです。
自分の状況に合わせて選ぶとよいでしょう。
対策:確実に売りたいなら専属専任媒介契約
早く高く売りたいなら専属専任媒介契約にしましょう。
理由は「不動産会社が成約に向けて全力で動いてくれるから」です。
専属専任媒介契約はその名のとおり『専属』で媒介契約を結ぶ契約です。
つまり、1社のみしか契約しないので不動産会社からすれば他社に取られるリスクがありません。
不動産会社は成約して初めて依頼者から報酬として「仲介手数料」を受け取ります。
しかし、成約しなければゼロ。
それまでかけた労力や手間もすべて水の泡です。
このことから、他社へ依頼できる『一般媒介契約』は不動産会社にとってリスクであり、全力で動いてくれない可能性が高いのです。
その点、専属専任媒介契約であれば、他社への同時依頼や売主みずから買主を見つける行為が禁止されているので、不動産会社はじっくりと確実に成約しようと動いてくれます。
したがって、「確実に売りたい」と思う方は専属専任媒介契約で進めるとよいでしょう。
マンション売却における売却活動時期の不安と対策
売却活動を始めるタイミングについて不安に感じている方は確認しましょう。
不安①:売却活動は何月に始めればいいの?
売却活動を始める時期のおすすめは12~1月です。
以下は中古マンションの月別契約件数を表したグラフです。
公益財団法人東日本不動産流通機構『月例速報 Market Watch サマリーレポート 2022年1月度』|月例速報 Market Watch サマリーレポート 2023年1月度 を参考に作成
グラフを見ると、2~3月の成約件数が多いのがわかります。
これは、4月からの新年度に向けて新たな居住先を求めている人が多くなるのが関係しています。
また、転勤の時期でもある9~10月も多いので、売却時期を決めていない人は参考にしましょう。
不安②:住みながら売却はできるの?
売却物件に住みながらでも売却できます。
売却活動中は内覧や買主との売買契約、決済などがあるので、計画的に進める必要があります。
活動中も担当者からアドバイスを貰えるので、わからないことがあれば積極的に相談しましょう。
対策:12~1月に売り出そう
前述しているとおり、マンションの成約件数が最も増えるのは2~3月です。
売却時期で迷っている人はこの時期を狙って活動するとよいでしょう。
なお、売り出してから成約まで2~3ヶ月程度かかるのが一般的です。
3月に売りたいのであれば12~1月を目途に動き出すとよいでしょう。
マンション売却における売買契約時の不安と対策
買主が見つかったらいよいよ売買契約を結びます。
しかし、売買契約時にも専門的な言葉がたくさん出てくるので、不安に感じている方も多くいます。
売買契約書や準備するものについて確認しておきましょう。
不安①:売買契約ってなに?
もし、理解せずになんとなくで契約してしまえば、契約後にトラブルに発展する可能性もあります。
不安②:契約前に準備しておくものは?
契約前には以下のものを準備する必要があります。
これらの書類は役所で手に入りますが、平日のみだったり夕方までしか受け付けていなかったりするので、余裕をもって用意しておくのをおすすめします。
不明点があれば担当者へ相談しましょう。
対策:想定よりも余裕をもった計画を立てる
売買契約は思っているよりも手間や時間、労力がかかります。
慌てて契約してしまえば思わぬトラブルに発展し、取り返しのつかない事態になる可能性もあります。
また、書類についても慌てて用意すれば、当日になって足りていないと判明し、契約日が延期になる可能性もあります。
特に初めての人はよくわからない状況なので、想定よりも余裕をもった売却計画を立てるようにしましょう。
マンション売却は非常に高額で、一生に一度あるかないかの大きな取引です。
悔いのないようにしっかりと準備しましょう。
まとめ:マンション売却はだれもが不安!
マンション売却時に感じる不安について解説しました。
最後にもう一度確認しておきましょう。
- 56%の人がマンション売却に不安を感じている
- 売れないときは売り出し価格を見直そう
- 査定は複数の不動産会社へ依頼しよう
- 専属専任媒介契約がおすすめ
- 12~1月に売り出そう
- 売却計画に余裕をもとう
マンション売却はあなただけでなく、だれもが不安に感じています。
不安に感じたところは必ず対策できるので、この記事を参考にしたり担当者へ相談したりして不安を払拭しましょう。
マンション売却は一生に一度あるかないかの大きな取引です。
悔いのないように全力で取り組みましょう!